フローリングの張り替えや重ね張り、手入れなどをDIYでやるコンテンツは、動画やブログ、本など様々な媒体で数多く存在します。
フローリングにキズや汚れが目立ってなんとかしたいと考えたとき、それらを参考にDIYでやろうと考えている人もいます。
ただ、出費を抑えたいがためだけにDIYでやろうとすることはおすすめできません。準備も手間もかかりますし、何より失敗したときには結局業者を呼ぶことになるので、そこまでの作業がムダになってしまいます。

プロ並の出来映えにできる素人は少ない
たとえば、絵を描ける人は世の中に腐るほどいます。ただ、漫画や雑誌などに絵を掲載して原稿料をもらっているレベルの人となると、一気に数は少なくなります。
それと同じように、器用さや日曜大工に多少自信がある人でも、業者レベルで段取りや作業が丁寧な人というのは一握りです。
それに、何かモノづくりに挑戦する程度なら失敗しても処分すれば良いだけですが、家の床となるとそうもいきません。
最悪の場合、最初から業者に依頼するより高くついてしまったという結果になります。
DIYでできると思ってしまう理由
当サイトにも、「DIYで床をキレイにしようと思ったけれど、上手くできなかった」という経緯でお問い合わせをいただくケースがたくさんあります。
そもそも、なぜDIYでできると思ってしまうのでしょうか。それは、動画やブログ、雑誌や本などで紹介されるからです。
世の中には、「プロに頼むと○○万だけれど、DIYならたった△万でできる!」「実際にDIYでやってみた」「自分の力でお家がこんなにおしゃれに」という事例や解説が溢れかえっています。
仕上がりの映像・画像がとても見栄え良いものであったり、DIYでやるときの注意点やポイントがよくまとまっているなど、参考にしたくなるコンテンツも多いです。実際、DIYを考えるきっかけになったのはそういった画像や映像ではないでしょうか。

しかし、そういったコンテンツをあなたに見せる人は、本当の意味での素人ではないということに注意しなければいけません。
どういうことかというと、フローリングの張り替えや手入れを失敗して終わるコンテンツはありません。「素人仕事なので、床のこの辺りがちょっと浮いてしまっていますが、初めてならこんなものですね(笑)」みたいな〆(シメ)方をする動画や雑誌は皆無といえます。
理由はシンプルで、そんな「ダサい」終わり方をする解説動画や雑誌が憧れられるはずも、人気になるはずもないからです。解説や紹介が目的なので、むしろ失敗に終わらせる方が意味不明です。
ただ、そういったコンテンツを参考にしながら挑戦するDIYは、どれほど注意点が丁寧でもいきなり完璧にこなすのは難しいです。
たとえば、ピアノができない人にいきなり楽曲を完璧に弾かせることは、プロ並に上手く演奏できる人であろうと、どれだけ教えるのが上手い人であっても不可能です。
ピアノに限らず、英語を話す・絵を描くなど、「いかに参考になるものがあっても、それを見ながらいきなり完璧にこなすのは非常に難しい」ものはたくさんあります。
そしてこれは、フローリングのリフォームについても全く同じです。そう考えると、経験のない素人が費用を抑えたいがためにDIYに挑むのは無謀といえます。

DIYでやっても問題ない場合
ここまで、「経験のない素人が、DIYでやろうとするのは無謀」という話をしてきました。
ただ、それは逆にいえば、「経験がある人や、しっかりやり切れる人」であれば問題ないということでもあります。腕前がともなってさえいれば、一気にDIYは節約術として有効になります。
たとえば、あなた自身に限らず、家族や親戚、友達に大工や職人仕事をしている人や、仕事でなくとも工作やDIYが趣味という人がいるなら、その人に依頼するという方法もあります。
このとき、誰かに依頼するのであれば、しっかりとお礼をすることを忘れてはいけません。
仮に1万円程度の贈り物や食事、手間賃でお礼したとしても、業者に依頼した場合より圧倒的に安く済みますし、関係も良好になります。
「今はできなくとも、自分でDIYできるように練習する」という手も考えられますが、気を付けるべきはDIYの元々の目的は「安く済ませる」ことであるということ。
練習にも時間やお金がかかることをふまえて、それでもDIYでやるか、業者に依頼するかを考える必要があります。
家のフローリングは素人仕事ではいけない
フローリングの仕上がりが良くないと、ズレや浮き、軋(きし)みといった不快感だけでなく、怪我に繋がるリスクが高くなります。快適性だけでなく、安全面から考えても、中途半端な仕上がりは許されません。
そこで、「自分が満足のいく仕上がりのフローリング」を手に入れるために、本当にDIYでやるべきかどうかを考えなくてはなりません。
プロに頼む費用を抑えつつ仕上がりもキレイにということを目指す場合、知り合いに頼むか、自身の腕を磨くことも一考の余地があります。その場合でも、知り合いへの謝礼や練習時間がかかることを忘れないようにしましょう。