現代の寝具はベッドが主流ですが、布団も根強い人気があります。
その一方で、床についてはフローリング床の住宅が台頭していて、畳床の部屋は1~2部屋、
もしかしたら一部屋もない、という住宅が一般的になってきていることでしょう。
この2つを考えると、「フローリング床の上で布団で寝る人」が増えてきていることは想像に難くありません。
フローリングで寝るにあたって、気になるのはやはり寝心地。
フローリング床は敷布団ごしでも伝わるほどかたく、背中や腰の痛みが悩みのタネになりがちです。
寝心地の改善や、体への負担対策に何を敷いて使えば良いのかを解説していきます。

布団の下に敷いて使う3つの敷物
布団の下に敷いて使う敷物は、代表的なものとして
- すのこ
- コルクマット
- マットレス
の3種類があります。
通気性抜群のすのこ
すのこは断トツで通気性に優れ、湿気やカビを気にするならそれだけで選ぶ理由にして良いくらいです。
床と布団の間に隙間ができるため、湿気や汗などの水分の逃げ道になるのは床にとっても布団にとっても嬉しいポイント。
もちろん、3種類の中では最も硬い材質になるので、選び方を知っておかないと腰や背中を痛める原因になります。
その選び方とは、わかりやすいものが2つ
・上に敷く敷布団が、厚さ11cm以上あるかどうか
・すのこの板同士の間隔は、4cm以下かどうか
布団そのものがへたってしまっている、いわゆるせんべい布団を上に敷いてしまっていたり、すのこの間隔が空きすぎているものを使うと、布団ごしに板の硬さが伝わり腰や背中を痛めてしまいかねません。
布団に敷くなら折り畳み式がベスト
すのこには、組み合わせて使うタイプや折り畳めるタイプ、お風呂の蓋にもあるようなロールタイプのものがあります。
この中で、断然オススメなのが折り畳み式。
なぜなら、組み合わせる分割タイプやロールタイプに比べ、機能面で優れているからです。
たとえば、折り畳み式なら室内物干しとして、布団を干すときに便利です。窓際に立てかけて干すことで、布団をベランダの物干し竿にかける労力から解放されるのは大きなメリットです。
すのこは、カビ・湿気対策のメリットが特に大きいので、手軽に布団を干すことで更にカビ・湿気から布団を守り、快適な寝心地作りに役立てます。
汚れに強く、ズボラの強い味方コルクマット
コルクマットは、布団の下というより床の上に敷いて使うものです。
大きなメリットのひとつが、汚れに強く食べこぼしや飲みこぼしが床まで残りにくいところ。
「えっ? 布団に汚れ? 抜け毛や汗ならともかく、食べ物の汚れなんて関係ある?」
……という綺麗好きな方は読み飛ばしても大丈夫ですが、布団の上でお菓子をつまんだりした経験がある、または現在もたまにやる人には、コルクマットを床に敷くメリットはとてもイメージしやすいことでしょう。
また、すのこの風通しほどではありませんが、畳のように調湿効果があります。
敷きっぱなしにしているとカビの原因になるのは同じですが、この調湿効果は布団の寝心地をより快適にしてくれます。
どういう家庭向け?
子供がまだ小さく、あちこち汚されがち。更によく転んでケガが心配な家庭にとって、コルクマットは強い味方です。
幼児用には、カラフルなマットがイメージしやすいため、よく使われますが、目を離すとすぐにどこまでも動くのが子供というもの。子供部屋と居間が近いなら全て敷き詰めることになります。
また、コルクマットはカーペットやラグマットに比べ、ダニの発生を掃除機で対処しやすいというメリットもあります。猫を放し飼っている家庭では、帰ってきた猫が寝転んでもスッキリ掃除し切りやすいようにコルクマットを選ぶケースもあるようです。
マットレスに直接寝転がらず、何か上にかぶせて使う
布団と同じく、マットレスもカバーをかけることが重要です。
マットレス本体が汚れると、大抵の場合は丸洗いができないので部分洗いをすることになります。
カバーやシーツに比べて手間も労力も大きい上、マットレスの劣化が早まるなどデメリットが多いです。
私が学生の頃、一人暮らしの同級生の家へ遊びに行った際、彼はマットレスをそのまま広げて過ごしていました。
私も面倒くさがりなので、自分も一人暮らしだったらカバーやシーツを使わずに広げっぱなしでいるだろうなと思っていましたが、やがて汚れが溜まってカビが生え、まだまだヘタっていなかったマットレスを買い替えていたのはもったいないなと感じたものです。
マットレスを直接買い替える場合、安価なものに替えたとしても、シーツを洗って長持ちさせていた場合とは出費は比べ物になりません。
シーツがけが面倒な場合は、上から被せるだけでも効果アリ。
折り畳みの隙間にゴミや埃が入り込むことを防げて衛生的です。


反発に優れたマットレスに布団を敷くと、機能が働かなくなってしまう
一方で、上に布団を敷かず、直接マットレスの上に寝た方が良いタイプのマットレスもあります。
主な例として、高反発・低反発といった、体の負担を減らしてくれる反発に優れたマットレスがあります。
厚さ10cmタイプが主流の体が沈み込まずに寝返りしやすい高反発マットレスや、
厚さ8cmタイプが主流の体が程よく沈んでフィット感がある低反発マットレス
こういったマットレスのメリットは、布団を敷いてしまうと機能しなくなってしまいます。

たとえるならこれは、お水だけでなくお湯も出るウォーターサーバーから、わざわざヤカンに水を汲んでお湯を沸かそうとするようなもの。
せっかくある機能がもったいないので、体への負担を減らしてくれるタイプのマットレスは直接その上で寝ると良いでしょう。

例外.反発のデメリットが気になる人には布団は有効
ただ、反発に優れたマットレスのメリットが機能しなくなったとしても、デメリットを消したい場合は布団を敷いても良いと思います。
どういうことかというと、布団を敷くことによってマットレスのメリットだけでなく、デメリットも機能しなくなるのです。
・高反発マットレスの通気性が良すぎて、冬場は寒い→布団で寒さ対策ができる
・高反発マットレスを使ってみたものの、反発の強さが気になる→布団の柔らかさで対策ができる
・低反発マットレスの通気性が悪く、夏場は暑い→布団の上でなら蒸れ対策ができる
・低反発マットレスで体が沈んでしまい、寝返りしにくい→布団なら体が沈まず、寝返りしやすい
これらのように、マットレスの上に布団を敷くことがダメとは一概に言えない理由は多くあります。より身体の具合に適した寝方を選んでください。
※赤ちゃんを布団に寝かしつけるとき、心配になる「転倒・落下」を防止するには
赤ちゃんを親と同じ布団やマットレスで寝かしつける際、注意したいのが段差(under黄色)です。
布団やマットレスを敷くと、僅かながら段差ができます。
赤ちゃんにとっては、これも十分危険な段差なので、転倒・落下を防護できる手段があると良いでしょう。
寝返り防止クッション
- 赤ちゃんが寝返って、うつ伏せのまま寝てしまわないか心配
- 赤ちゃんの寝相が悪く、朝起きたらとんでもないところまで動いていて心臓に悪い
- お部屋が狭く、ベビーベッドを置きづらいので、自分たちのお布団やベッド、マットレスで一緒に寝てもらう他にない
寝返り防止クッションは、これらの悩みをまとめて解決できておすすめです。
添い寝をするときは、クッションを片方外してそこに寝そべればOK。「起きたら我が子が定位置から消えていた」という不安から解放され、安心した睡眠時間を確保できるメリットは計り知れません。
ベッドガード
寝返り防止クッションより、さらに転落・落下防止に特化させたのがベッドガードです。
マットレスやベッドなど、敷布団より高さがある寝具に取り付けることで、転落を防いでくれます。
ベッドガードを選ぶときは、隙間への挟まり対策がされているかどうかを見る
ベッドガードは色々な種類があるので、デザインや値段などを見て、気に入ったものを選んで良いと思います。
ただ、1つだけ、これだけは必ず確認しておきたいポイントというものがあります。
それは、ベッドガードとベッド・マットレスの隙間に挟まり対策がされているかどうかです。
というのも、本来ベッドガードは、1歳半=18ヶ月未満の乳児の寝床に使うと、挟まって窒息の恐れがあるので非推奨という仕様になっています。
そのため、ガードと寝具の隙間に勢いで挟まってしまわないように、赤ちゃんの挟まり対策がされている商品を選ぶことが重要です。
ベビーベッドが硬いのには理由がある
赤ちゃんの窒息リスクについて、もう一つ知っておきたいのが、ベビーベッドが硬い理由()です。
「硬いベッドに寝かせるより、ふかふかと柔らかい方が赤ちゃんに優しいのでは?」
そういった親心から、赤ちゃんの下に毛布やタオルなど柔らかいものを敷いてしまうと、身体が沈んでしまって窒息の可能性が発生してしまいます。
確かに、体育マットやアイロン台のような硬さのベッドに赤ちゃんを寝かせることは、なんとなく抵抗を覚えることでしょう。
しかし、ベビーベッドの硬さにはしっかり赤ちゃんのことが考えられている理由があることを知っておけば、安心して赤ちゃんを寝かせることができます。
適切な敷物で快眠生活
フローリング床の上に直接お布団を敷くのは背中や腰が痛くなるもの。
すのこやコルクマット、マットレスなど、ご家庭に沿った敷物でケアすることができます。
あとは、それぞれの敷物のメリットを把握して、片付けやすさ、掃除のしやすさ、価格の手頃さ、汗や汚れの始末のしやすさなど、大事に思うところに合ったものを選んでください。