フローリングの黒ずみを放置していると、美観だけでなくフローリングそのものの劣化が早まったり、汚れやゴミが凝り固まって除去しづらくなるなど、デメリットしかありません。
そのため、黒ずみを発見したら長期間放置せずに対処した方が良いのですが、このときどこで黒ずみを見つけたかで、おおよその原因や対処法が変わってきます。
大抵の場合は自力で安価に対処できますが、中には素人の対処が困難で、最初から業者に依頼した方が時間も費用も結果的に抑えられるものもあります。
そこで、黒ずみを見つけたとき、どこで見つけたのか、自分で処置できるか、どうやって処置するかを、順を追って解説していきます。

無垢材かどうか
アパートやマンションなどの集合住宅や中古戸建などでは、合板シートフローリングという、いくつかの板を重ねてその上に木目の印刷物を貼ったものが主流です。
一方、新築戸建や注文住宅などでは、無垢材のフローリングを敷いていることも。無垢材は合板に比べて湿気に弱く、黒ずみ対処のために使った液体を吸って痛んでしまうリスクが高いです。
そのため、もし黒ずみ汚れが無垢材フローリングにあったら、黒ずみの原因に関係なく、すぐさま業者を探した方が良いでしょう。
場所別に見る黒ずみの原因
リビングや廊下にあった場合
[皮脂汚れ、ワックス]
リビングや廊下での黒ずみは、裸足で歩き回ることによる皮脂汚れが溜まったことや、ワックスが古くなり黒ずんできたことが原因であるケースが多いです。
皮脂汚れは要するに油性汚れなので、放置するとガンコな汚れになって取りづらくなってしまいます。家に置いてある中性洗剤で比較的容易に対処できるので、早めに取り除いてしまいましょう。
ワックスがけをした床が黒ずんでいた場合、一度ワックス剝離をする必要があります。ワックスのかけ直しはともかく、剝離はムラなくやろうとすると大変なので、業者に任せた方が間違いありません。
玄関にあった場合
[土埃、皮脂汚れ、カビ]
外出から帰ってきて最も汚れている状態で最初に上がる玄関は、框(かまち。段差の側面に張られた板のこと)などに汚れが溜まりやすいです。
足だけでなく、外出時に地面に直置きした鞄や荷物を置くことも多く、そういったところから汚れが蓄積して黒ずみに繋がるケースも。
また、雨に濡れて帰ってきたときの湿気などにより、カビになることも少なくありません。
中性洗剤や水拭きで落ちる、皮脂や埃による黒ずみなのか、業者に依頼する必要があるカビの黒ずみなのかを判断するのは難しいので、まず中性洗剤で掃除してみて、黒ずみが落ちるかどうかを確かめると良いでしょう。
階段にあった場合
[皮脂汚れ]
階段窓からの雨によるカビも考えられますが、リビングと同じように裸足で昇り降りすることによる皮脂汚れが原因である可能性が最も高いでしょう。
ただ、階段はリビングや廊下に比べて拭き残しが発生しやすいので、黒ずみを取り除いた後、水っ気を取る仕上げの乾拭きをより丁寧に行えれば完璧です。階段に近い壁も念のために拭いておきましょう。
キッチン付近にあった場合
[油汚れ]
キッチンは油汚れや、食品のドリップや色素など、汚れが溜まりやすい要素が満載の空間です。
シンクやコンロは汚れやすい分、意識的に掃除しやすい場所ですが、その下の床はリビングと同程度に簡単な掃除で済ませることが多く、油汚れによる黒ずみもそれだけ起きやすくなります。
中性洗剤を使えますが、油汚れがひどい場合は、油汚れ用の洗剤を使うか、クリーニング業者に依頼する手もあります。
また、一度黒ずみを取り除いてもすぐに汚れが溜まる可能性が高いので、できれば大きめのキッチンマットを敷いたり、ワックスがけやフロアコーティングなどで床そのものを保護することで、再発を防ぐことができます。
窓やお風呂場付近にあった場合
[カビ]
風呂場そのものの床やタイルにカビが生えていた場合はカビキラーなどの塩素系漂白剤を使えますが、脱衣場や窓の近くの黒ずみは、原因が同じカビでも漂白剤が使えないため、対処は困難になります。
脱衣場では風呂場への出入りをするので、裸足での出入りによる皮脂汚れが原因の可能性もゼロではないのですが、湿気を考えると圧倒的にカビが原因である可能性が高いです。
カビは一度生えると、更に水分を吸ってどんどん成長し、床の奥に進んでしまうため、早めに業者に取り除いてもらう必要があります。
※小さな子供やペットがいる場合

[粗相]
乳幼児期や幼児期の子供やペットが漏らしてしまったことが原因で、黒ずみ跡が残る場合もあります。
お漏らしによる黒ずみは洗剤での除去ができず、ペット用の染み込みづらい高級クッションフロアやフロアコーティング(※ワックスは貫通します)がけをしていないと未然に防ぐことは難しい厄介なもの。
自力での対処は難しいですし、放置も特におすすめできません。早急に業者に依頼した方が良いでしょう。黒ずみを取り除いた後で、改めて先述の予防策を取ることも有効です。
中性洗剤での清掃手順
ここでいう中性洗剤は、フローリング用に限らず台所用でも問題ありません(香料の関係で避けた方が良い匂いもあるかもしれませんが)。その場合、液体を薄めて使って下さい。
- 掃除機掛けで埃やゴミを取っておく(事前にワイパーがけをすると更にGood)
- ウェットシートで黒ずみを拭いて取れるか確認する
- 洗剤を数滴入れた水で絞ったタオルや雑巾で拭く
- 取り切れなかった黒ずみをへらで削ぐ
- 水拭きで洗剤を取り(←省略可)、その後に乾拭きで水分を取る
ちなみに、中性洗剤で落ちないほどに黒ずみがガンコな場合、アルカリ洗剤を使う手もありますが、これはあくまで原因がワックスである場合に限ります。
そうでない場合、フローリングを痛める原因になりかねないため、業者に依頼した方が無難です。
特に、より強い洗剤で黒ずみをどうにかしようとカビキラーや重曹などを使うのは、フローリングそのものへのダメージがあるのでNGです。