買ったばかりのお家で、いよいよ始まる新生活。
その出鼻を挫く床鳴りの音がすると、テンションガタ落ちです。
とはいえ、見ただけでは鳴る・鳴らないの見分けがつかない床鳴りなんて、どうやって対処したら良いのでしょうか。
実は、床鳴りへの適切な対処には記録・報連相が大切なんです。
一見すると、全く関係のなさそうなフローリングトラブルと報連相。その理由を、原因や対処法と合わせて解説していきます。

床鳴りの原因は、自然発生か施工不良
床鳴りの原因は大きく分けて2つ。
- どうしても起こり得る、自然発生のもの
- 施工不良
この、どちらかであることがほとんどです。
ただ、「音が鳴る」以外に他の部分との差がないので、見ただけでは自然発生か施工不良のどちらが原因かはまず判別できません(もし、見るからに突き上がっていたり、違和感・異常がある場合は、売主や工務店に調べてもらいましょう)。
自然発生の場合は、時間の経過とともに収まる可能性があります。
なので、あまりに大きな床鳴りでない限りは、すぐには対処せずに収まるのを待って良いでしょう。
床板は、季節や気温に応じて、わずかながら膨らんだり・縮んだりします。
このわずかな膨らみ・縮みが原因な場合が、様子見しても大丈夫なケースです。
床材の膨張が原因の場合は、一旦様子見でOK
床鳴りが起きた季節と反対側(たとえば、夏に床鳴りを発見したら冬)の時期に床鳴りが収まっていたら、膨張が原因の可能性大
床鳴りの補修を安く済ませる最大の秘訣
“[アフターサービス]画像、刺すかぁ”
床鳴りが収まらず、補修の必要が出てきた場合、なるべく安く補修したいものです。
補修費用を抑える最もシンプルな方法が、アフターサービス期間内に補修対応をしてもらうことです。
「アフターサービス中なら安く済むって、そんなの当たり前のことでしょ」
と思うかもしれませんが、実は床鳴りの補修においてはココが重要なポイントになります。
というのも、住宅そのものの保証期間では、それを理由に床鳴りを直してもらうことは難しいのです。
「保証期間」では床鳴りを直してもらえない!?
新築住宅には、住宅品質確保促進法(通称:品確法)により、10年間の契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)が保証されています。
……文章が固すぎて目が滑りますね。
もうちょっとわかりやすく解説すると、
「新築のクオリティを買った人に保証する法律のおかげで、10年間は柱や梁といった構造上大事な部分や、雨漏りを防ぐ部分に欠陥があったら保障してもらえる」ということです。
しかし、この契約不適合責任。書いてある通り、保障してもらえるのはあくまで「構造上重要な部分・雨漏り関係の欠陥」に限ります。
この「構造上重要」とは、「欠陥を放置したら、最悪住宅が倒壊する」レベルの話なので、床鳴りはまず保証対象になりません。
そのため、先述したアフターサービス保証が有効である期間が重要です。

「床鳴りがした」ことをメーカーに報告しておいて、日時や担当をメモしておきましょう(保証期間は2年間)。
新築で1年未満の場合、「自然に起きるものなので、様子を見てもらって、鳴り続けるようならまた連絡してください」と返答される可能性が最も高いです。
こう返答された後に、「いや、今気になる! すぐ床鳴りが止んで欲しい!」と無理やり自分で補修しようとして手を加えるのは、風邪を解熱剤や大量の薬でなんとかしようとするようなもので、あまりおすすめできません。
慌てず、自然に治まるのを待つのが最善のやり方になります。
対応を間違わない&間違えられない「鍵」こそ記録
発見した床鳴りについて、起きた場所、見つけた日にちや時間を記録したら、後は自然に治まるのを待つだけです。
より正確に言うと、自然に治まらない場合に備えると言った方が適切でしょう。
たとえば、エアコンの風が気持ちいい暑い夏の日に見つけた床鳴りがあったとします。
肌寒くなり、木の葉の色が変わってくる秋になってもまだ床鳴りは治まらない……。
そういう場合こそ、とっておいた「記録」の出番です。
もし、季節が過ぎても床鳴りが治まらなかった場合、原因が自然現象ではない可能性が一気に高まります。
そうなったとき、記録や業者への連絡を忘れていた場合、以前から床鳴りが起きていたことを認めてくれない可能性があります。
いつから床鳴りが起きていたかをしっかり伝えるためにも、記録は重要です。

床鳴りは、再発の防止がだいじ
新居の契約をする前に、内見や立会いの段階で一通り床を確認しておくことが理想ではありますが、実際はなかなかそうはいきません。
しかも、引越す前に念入りに確認したとしても、季節による床材の変化が原因の床鳴りを防ぐのは困難です。
なので、どう対処すれば良いかを予め知っておくことで、実際に床鳴りが起きたときに気落ちしにくくなり、その後の対処に動きやすくなります。
症状が床鳴りだけの場合、DIYで補修はあまり推奨しない
「床鳴りをすぐに直したい」と思い、床鳴り補修剤を使っての補修を考える人もいるかと思います。
ただ、床鳴りだけを直すために補修剤を使うのは、補修跡が変色の原因になるのであまりおすすめできません。
フローリングの浮き・軋(きし)みを感じていて、それをDIYで直したいという場合には良いと思います。
具体的には、湿度が高い夏場に除湿を、湿度が低い冬場には加湿を心掛けることです。
これは、普段の生活の中で元々調湿を取り入れている人も多いでしょう。わざわざ窓を開けて換気をしたり、室内干しをする度に「床鳴りが起きないように」と気にしすぎる必要はありません。
床鳴りが起きたとき、再発防止のために原因を考えるときに「もしかしたら、湿度が原因かもしれない」と思い出していただければ、自然とその後の行動は変わるはずです。