酸素系漂白洗剤(※酸素系であるだけで、酸性ではなくアルカリ性)のオキシクリーンは、衣服の黄ばんだ汚れや洗濯槽掃除にも使える汚れ取りの性能や、雨天続きでも生乾きの臭いをかなり抑えられる消臭効果で評判です。ホームセンターの洗濯用品置き場に置いてあるのを見たことがある人も多いはず。
そんなオキシクリーンは、洗濯だけでなくお風呂場のタイルや窓の網戸、排水口などでも使える万能ぶりで、様々な場面で使われます。
もちろん、フローリングの掃除にも有効です。ただ、強力な漂白剤なので、使い方や注意点を誤るとフローリングだけでなく、身体にも悪影響を及ぼすことも。
そこで、オキシクリーンをフローリング掃除に使うメリットや、どういうときに使えるのか、注意点などを確認していきます。

油汚れや臭いがする汚れに

フローリングの掃除において、オキシクリーンの出番は、主に
- キッチン床やテーブルの下など、油汚れが出やすい場所
- 乳児やペットの粗相など、臭いがついた場所
これらのような、強い汚れ取りや消臭目的で使われます。工場や現場仕事で油に汚れた靴下で通った、運動後で汗や雨などの臭いがついたといった場合でも同様です。
また、床の黒ずみに関しては、原因次第ではオキシクリーンは多少有効です。
たとえば、長期間カーペットやロータイプのソファを敷きっぱなしにしてしまったことによるカビが原因の黒ずみは、オキシクリーンである程度元の色を取り戻すことが期待できます。
床材の種類は無垢材以外OK。ただし拭き残しは厳禁
床材には、主流である合板の他にも、無垢材やクッションフロア、シートフローリングなど様々な種類があります。
オキシクリーンは、無垢材以外ならいずれの床でも使うことができます。無垢材床に使うと変色の原因になるため、もし無垢材の床だけど油汚れを取りたいという場合は、オキシクリーンではなく中性洗剤を使いましょう。
そしてオキシクリーンは、洗濯の際に洗濯物だけでなく洗濯槽の汚れまで取ってしまうほど強力な洗剤です。そのため、床に拭き残しがあると、そこから床へのダメージに繋がります。
掃除後は、必ず拭き残しが無いように丁寧に拭き取って下さい。拭き残しは角や隅に出やすいので、オキシクリーン拭きをしたところの隅を、ティッシュで軽く拭いてみて濡れていないかを確認するのも良いでしょう。
畳やワックス、コーティング床には非推奨
無垢材の他、畳やワックス、フロアコーティングを塗ってある床であっても、オキシクリーンの使用は適しません。
確かに、畳についた血やボールペンインクなど色の濃い汚れを取りたい場合に上手く対処すればキレイに取れる方法はあります。ただ、畳の色まで落ちてしまう可能性がかなり大きいため、正直おすすめできません。
ワックスやフロアコーティングは、オキシクリーンぐらい強い洗剤だと、コーティングそのものが溶ける原因になってしまいます。まるでアリの巣の入り口みたいに、ぽっこり溶けてしまうので、見栄えだけでなく床の保護という意味でも最悪です。
一部の、薬品に強いコーティングなら使用できますが、そうでない場合は避けた方が無難です。特にフロアコーティングの場合、一度剝がした上での塗り直しが困難なため、思いがけぬ出費になることも。
もし、「あれ? このコーティング床は薬品掃除OKだっけ?」と不安になったら、コーティング業者に確認しましょう。確認することで、万が一薬品使用で不具合になったときでも補償してくれる可能性があります。
お湯1Lにキャップ摺り切り
オキシクリーンは洗濯洗剤なので、裏側を見ても、フローリング掃除のためにどれくらいの量と水・お湯を使えばいいのかの記載がありません。

実は、とてもお手軽に丁度良い量をとる方法があります。それは、キャップに摺り切り一杯とることです。
この量を、お湯1リットルの中に入れればOK。基本的にはこの量で大丈夫ですが、もし、薄くてあまり汚れが取れていなかったときは、別な容器に水溶湯を一部移して数滴(粉末タイプの場合は少し振りかける程度に)足して下さい。
ペットを飼っているなら特に薄める
室内で、犬や猫などのペットを飼っている家庭の場合、やはり気になるのは愛犬や愛猫が誤飲しても大丈夫なのか? について。
結論としては、原液や粉そのものの誤飲でなければ、まず大丈夫です。オキシクリーンは確かに強力な洗剤ですが、洗濯用洗剤にしてはという程度で、トイレ用洗剤や排水溝用洗剤ほど影響が強くはないからです。
ただ、薄め方が甘かったり、拭き残しがあると、掃除後の床の上をペットが歩いたり寝転んだりしたとき、体に付着してしまいます。
そこから体内に入ってしまうことを防ぐためにも、気持ち薄めすぎなくらいに薄めて使い、掃除後は拭き残しが無いように乾拭きをしっかりやりましょう。もしそれで汚れが落ちていなかったら、その箇所だけオキシクリーンを足して拭き直せば大丈夫です。
異常が起きたらとにかく動物病院へ
もし、ペットが嗚咽(おえつ)したり嘔吐したり、あるいは呼吸が荒くなったりといった異常事態が起きた場合、とにかく動物病院に連れていくことを何よりも優先して下さい。
この記事を含むネット上コンテンツには、ペットの洗剤誤飲の際の対処法として
- 水や牛乳を飲ませて、体内の毒性を薄める
- シャワーで体についた洗剤を流す
といった方法が紹介されています。これらは決して間違った情報ではありませんが、あくまで「一般的な」方法でしかなく、本当にあなたのペットへの処置として適切なものなのかはわかりません。
獣医に見せる前の応急処置として、上記の方法を取るのは良いと思いますが、もしそれでもペットの様子が依然としておかしい場合、迷わず獣医の指示に従いましょう。