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面倒なワックスがけを避け、できるだけラクにフローリングを守る手段

フローリングを傷や汚れから守り、キレイに保つために使われる最も一般的な手段がワックスがけです。

ですが、ワックスがけはとかく面倒なもの。なるべく労力をかけずにやりたいですし、できることならワックスがけ以外でフローリングをキレイに保ちたくなります。

ここでは、ワックスがけがなぜ非常に面倒な作業であるかの理由と、どうやったら労せずにフローリングを傷や汚れから守れるかについて解説していきます。

ワックスがけが面倒くさい5つの理由

上手に塗りづらい

絵を描く、サッカーやバスケットでシュートを決めるなど、世の中に解説の動画や資料はいくらでもいるけれど、初めていきなり上手くはできない事はいくらでもあります。

ワックスがけについても、同じことがいえます。お手本を見ただけでムラなくキレイに塗れるなら、誰も苦労はしません。

しかも、年1回やればマメにかけていると言える頻度なワックスがけなので、経験による上達もあまり見込めません。

もちろん、ワックスがけの練習をすればその限りではありません。が、正直言って1年に1回の作業のために練習する気になるかというと……微妙です。

このように、上手く塗りづらい、かつ上達もしづらいため、ワックスがけが億劫なままという人が増えるのは道理といえます。

段階が多く、一日仕事になる

貴重な休日が1つの作業で潰れるのを良しとする人は、ほとんどゼロです。もちろん私もそうです。

ただ、ワックスがけはワックスを塗ること以外にもいくつか作業があるため、時間がかかります。午前に始めて、完了するのは夕方ということも珍しくありません。

ワックスがけは、キレイに仕上げるためには、大きく分けて5つの段階があります。

  1. 掃除機やワイパーで掃除
  2. 水拭き掃除
  3. 乾き待ち
  4. ワックスがけ
  5. ワックス乾き待ち

不慣れな間は、各作業の注意点を確認しつつ作業するため時間がかかります。そして先述したように、作業経験を積む機会は少ないので、「不慣れな間」は長引きがちになります。

ワックスできないフローリングにワックスがけをしてしまう

最も多い……というより、このケースのほとんどが、ノンワックスフローリングであることを知らずにワックスがけをしてしまい、ワックスが定着しないという事例です。

このトラブルは、「ワックスがけをしたばかりなのにすぐ取れてしまったり、白っぽくなっている様子を見てはじめて、自宅の床がノンワックスフローリングであることを知った」という経緯で起こり、知らなかったという理由だけで起きうるため意外と「よくある相談」です。

事前に不動産会社や建設会社に確認をしておくだけで避けられるとはいえ、面倒事に繋がりやすいトラブルです。

定期的(半年~1年おき)にやらないといけない

1度塗ったっきりで数年間メンテナンスせずにいると、ところどころ剝がれたり、蓄積された汚れやくすみによって、ワックスが見栄えの悪さの原因になります。

そのため、ワックスは1回かけたら終わりではなく、半年から1年に1回、塗り直す必要があります。

「半年や1年に1回、長時間の作業」と言われると、大抵の人はお盆休みや年末年始といった長期休暇中にやろうと考えます。

ただ、実はワックスがけは夏場や冬場は気温が原因で、ワックスの乾きや仕上がりに悪影響が出やすいです。

塗って乾く前に作業によってかいた汗が落ちることは避けたいですし、洗濯物の乾きをイメージすれば、冬場に乾きが遅くなることは想像しやすいと思います。

そのため、ワックスがけは気温や湿度が丁度良い期間である春や秋にやるのがベストなのですが、そうは言ってもまとまった休みが取りやすいのはゴールデンウィークくらいで、なかなか時間がとりづらいのが現実です。

数年(3~5年)に1度、ワックス剝がしを行う必要がある

かけたワックスは、普段の生活の中で徐々に擦り減り、汚れをため込んでいきますが、自然に消え切ることはありません。

そして、その上にワックスの塗り直しをして、それを繰り返すと、必然古いワックスの層が出来上がります。

こうなると、どれだけ丁寧なワックスがけをしてもムラができやすくなりますし、単純に汚れたワックス層でフローリングそのものも汚れて見えてしまいます。

そのため、ワックス剝がしはワックスがけに失敗したときだけでなく、数年おきにやる必要があるのですが、これもまた大変かつ面倒な作業です。

傷や汚れが何層も重なり、見映えが悪くなる

家庭によっては、「ワックス剝がし(+その直後の塗り直し)のときだけ業者に依頼する」という選択をするところもあります。自分でやるより費用がかかるものの、頑固にこびりついたワックスもキレイに剝がしてくれます。

少しでも負担を減らすためにできること

ここまで、ワックスがけが面倒である理由を書き連ねてきました。ここからは、キレイなフローリングを維持するための負担を減らす方法を紹介していきます。

負担の種類を、体力や時間の負担と金銭の負担の2つに分け、それぞれを減らす方法として確認していきます。

DIYでやる場合

動画を見る(体力や時間の負担)

自力でワックスがけをやる場合、上手い塗り方やコツを動画をなぞってやるのが最も基本的な工夫になります。

「そんなのわざわざ書くまでもなく、普通のことでは?」と思うかもしれませんが、実はワックスがけの解説動画は、自動車のワックスがけに比べて再生数が格段に少ない(=あまり見られていない)のです。

この原因が「普通のモップ掃除や水拭き感覚で、何の参考もなしにワックスがけをしている」のか、 「そもそもワックスがけをする家庭が少ない」のか は定かではありませんが、いずれにしても、動画を参考にしている人が少ないというのだけは事実です。

動画は文字や画像よりもわかりやすいですし、なにより無料で繰り返し見れます。ラクに仕上がりを向上させるためにも、是非活用してみてください。

大掛かりな道具は買わない(金銭の負担)

ワックスがけは、基本的に1年に1回。マメにやる人でも半年に1度、つまり年2回です。これはつまり、ほとんどの家庭では、ワックスがけ用の道具は363日は用具入れの肥やしになっているということになります。

たとえば、自分用のゴルフクラブやバッグを持っている人を想像してみてください。このとき

  • ゴルフが好きで、月1回はホールを回る人
  • ゴルフは仕事の接待か、会社内のイベントのときにしかやらない人

この二通りのうち、後者のゴルフ用具は普段、家の物置で埃を被っている様子がすぐにイメージできると思います。久々に使うときには道具そのものの手入れが必要になっている可能性も高いです。

それと同じで、ワックスがけ用の雑巾やモップ、バケツといった道具を準備しても、ほとんどの期間は掃除用具入れで眠ったままになります。普段の掃除用具と用具入れを兼用している場合、はっきり言ってスペースのムダになります。

そう考えると、頻度が少ないワックスがけに使う道具は、ワックスシートなどの使い捨てで充分です。ワックスがけが終わったら即ゴミ箱へ片付けられるため、時間の短縮にもなります。

多少の塗りムラを許容する(体力や時間の負担)

ワックスの主目的は、あくまでフローリングを傷や汚れから守ることです。

完璧主義を捨てて、日常生活で傷や汚れがつきにくい部屋の隅などに多少の塗りムラや塗り忘れがあっても許容できるようになると、結果的に負担を抑えることができます。

ただ、来客が多い家や、遊び盛りの子供やペットがいる場合は、隅々まで見られたり使われたりするので、キッチリ仕上げたくなることでしょう。この塗りムラ許容は、あくまで許容できる人は許容すれば良いくらいの負担軽減法です。

そもそもワックスがけが面倒くさい・やりたくない

「いくら手間暇を軽くする方法を並べられても、そもそもワックスがけそのものをやりたくない」。確かに、作業そのものから逃れられないなら、どれだけ負担を減らす手段をとっても根本的な解決にはなりません。

そうなると、ワックスがけ以外でフローリング床をキレイに保つ方法をとる必要があります。

賃貸ならワックスがけ不要

賃貸住宅に住んでいる場合は、ワックスがけは管理側の役目になるので、あなたがやる必要はなくなります。

賃貸住宅でのワックスがけはむしろ、「床の状態を変えた」ことになりかねません。それをふまえると、ワックスがけは不要どころか、トラブルを避けるためにもやらない方が良いといえます。

床の保護は大家の責任になりますし、もしかしたら大家さん負担で業者を呼んでくれる可能性もあります。もし賃貸に住んでいる場合は、必ず大家さんまたは管理会社に問い合わせてください。

カーペットなどの敷物を敷く

最も安価かつお手軽な手段が、カーペットやフロアタイルを敷くことです。

触り心地や座り心地も良いため、ソファの前やローテーブルの下に敷いて使う家庭はとても多いです。

もちろんフローリングを直接覆うので、キズや汚れを防ぐことができますが、保護できる場所が局所的であることと、何年も敷きっぱなしだと敷物そのものがカビや劣化などの原因になり得る点には注意が必要です。

床材そのものを替える

近ごろは、シートフローリングやクッションフロアの住宅が増えてきています。賃貸アパートやマンションでは、ほとんどがこれらの床材です。

これらの床材は、ワックスをかけなくてもある程度傷や汚れを防止してくれるため、人気があります。

とはいえ、この方法は基本的には、これから住む家を決めたり、建てたりする家庭向きです。床そのものは気軽に替えられないですからね。

なので、既に住んでいるお家の床材を替えたいと思った場合、すぐにではなく張り替えの時期に検討することになります。

コーティングがけ

ワックスに比べて、性能、耐久年数、そして値段が格段に大きいのが、フロアコーティングです。

最大の特徴は、一度塗ったら塗り直しや剝がしといったメンテナンスが不要という点。 耐久年数も20~30年と長く、隅々まで保護できるため、コーティングがけをしてしまうと以降は掃除機や水、アルコール拭きといった普段の掃除だけで充分になります。

光沢(≒ツヤ)の有無も選べるので、ワックスがけをした直後のツルツルした光沢感が好みという人でも問題なく利用できます。

注意点は、なんといってもその値段。コーティングがけはDIYでミスなくやるにはあまりに難しいため、業者に依頼することになります。出費を抑える手段は業者選び以外にありません。

そしてその相場は15~40万と、だいたい高級な電化製品くらいの費用がかかります。

そのため、コーティングがけを検討する場合は、「ワックスがけより何倍も費用がかかるもの」というよりは、「食器洗浄機やドラム式洗濯機の導入」の感覚で考えた方が良いと思います。

フローリングを守る方法はワックスだけではないし、ワックスがけよりラクになる

フローリングの傷や汚れを防ぐ手段は様々あります。その中で、今住んでいる家にどれくらい長く住むのか、保護する床の面積はどれくらいあるのか、どれくらいのコストをかけれるのかなどを考えれば、面倒な作業をせずとも立派にキレイなフローリング床を保つことができます。

むしろ、最初に一工夫するだけで保てる床の見栄えやキレイさのために、わざわざ労力をかけるべきではありません。日々の掃除を手軽にすることで、家事の時間を短縮し、どんどん自由な時間を増やした方が、快適なお家時間を過ごしやすくなります。

貴重な休日を潰したり、塗りミスでイライラしたり、毎年業者に高いお金を払う必要はありません。積極的にラクを目指しましょう。

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