検索

フローリング張替えの相場と、費用を抑えるためにできる5つの工夫

何年も暮らしていると、あるとき、フローリングがだいぶ傷んで来たことに気づきます。それを機に、フローリングの張り替えを考えるものの、張り替えの費用がどれくらいかかるのか、よくわかりません。

また、費用の相場だけでなく、少しでも張り替え費用を安く抑えるためにできることについても気になるもの。

そこで今回は、

  • 床の種類ごとの張り替え費用相場
  • 費用を安く抑えるために覚えておきたい5つのポイント

この2つについて、それぞれ見ていきましょう。

予算の目安は20万円以内

張り替え先の床張り替える重ね貼り
 フローリング 3~5万円/畳 2~4万円/畳
クッションフロア 2~6万円/畳1~4万円/畳 
フロアタイル 4~6万円/畳 3~5万円/畳
新調で1.5万円/畳、片面だけを替えるなら5千円/畳

この表は、あくまで1畳だけ替える場合の値段です。張り替え面積が多くなればなるほど、1畳あたりの費用はどんどん少なくなっていくのが普通です。

1部屋(8畳以内の広さを想定)を張り替えるときの総費用は、およそ20万円程度を考えておくと予算オーバーになりづらくなります。

張り替えは、巾木や下地といった、床そのもの以外の部分についての工事が必要になったり、床材の品質、工法など、様々な要因で見積り額が変動します。

たとえば、「6畳1間をフローリングに張り替えたい」というスタンダードなリフォーム内容であったとしても、

  • 畳からフローリング? フローリングからフローリング?
  • 材質は合板? 無垢板?
  • 下地の消耗具合はどれくらい?
  • 工事をする時期は?
  • 壁・クロスも消耗しているなら、まとめて張り替えてもらった方が良いか?

などなど、そのときによっての費用は様々です。

そのため、サイトに載っている相場や目安以上に、「実際に見積りを出されたとき、想定外の工事内容が入っているか、その工事が必要か」などの確認をしっかり行った方が、満足度の高いリフォーム結果になりやすくなります。

また、見積もり書を読む際、その見積もりが適切かどうかを判断するポイントについても後述していますので、参考にしてみてください。

費用を抑えるための5つのポイント

張り替えか、重ね張りか、それとも修繕か

張り替えを考えだす理由は、大抵の場合、フローリングの傷や床鳴り、ヘコみなどに気付いたときです。ただ、張り替え以外にもそれらのトラブルに対処できる方法はあります。

張り替えより費用を抑えられる手段としては、「重ね張り」や「修繕(補修)」が一般的です。

どちらも、張り替えの際には必要になる下地の張り替えが不要になるので、それだけで2~3万円程度安く済ませることができます。

たとえば、以下のようなケースであれば、張り替えを選んだ方が良いといえます。

  • 同じフローリングで15~20年程度経過している
  • 踏んだときにフカフカするだけでなく沈む感覚がある(クッションフロアや遮音しゃおん性が高いもの)
  • ギシギシと音鳴りがしたり、きしむ感覚がある(一般的な合板フローリング)
  • キズやヘコみがひどい、めくれや剝がれがある(合板または無垢フローリング)

大まかな場合分けとして、

・床を踏んだときにはっきりと音がする・沈む→下地まで傷んでいる可能性が高く、張り替え推奨

・見た目が、キズや剝がれなど「いたんだフローリング」といった様子だけれど、踏んでもギシギシと音はしない→床材の損傷だけなら、重ね張りで費用を抑えられる可能性が高い

となります。

一方、そもそも張り替えや重ね張りといった大がかりな工事をするまでもなく、修繕で済ませられそうなケースとしては、

  • 気になりはするが、小さなキズやヘコみといった程度
  • 粗相や、ものをこぼしたことなどによるフローリングの変色
  • シミや日焼け、手のひらサイズ未満くらいの剝がれ

といった原因などが当てはまります。

どの手段でフローリングを直すかの見当をつけておくことで、見積りを出す際に「重ね張りで考えています」「修繕でお願いしようと思っています」と最初に伝えることができ、話がスムーズに進みやすくなります。ぜひとも、はじめに判断する方法として活用して下さい。

防音素材の必要性

マンションの場合、規約によっては防音仕様の床材を使う必要があります。

防音仕様の床材は、板同士の間に吸音クッションが付いており、通常の床材より値段が高めです。

一方、戸建であれば、防音性能を求められることはなくなるため、安価なもので良くなります。

室内での運動や演奏など、音が出る趣味であったとしても、床よりは壁の素材を気にした方が防音効率は良いため、床材の価格は抑えて問題ありません。

ちなみに、防音性能はL値という数値で表され、数値が小さい方が防音性能が高いです。マンションの防音を気にする場合、基本的にはL-45以下であれば優秀な防音性能であるといえます。

DIYは、コストダウン目的には微妙

業者に頼まず、DIYでフローリングを張り替えることによって工事費を浮かそうと考える人もいるかと思います。

ただ、結論から言うと、出費を抑えたいがために張り替えをDIYでやるのは微妙です。

手軽さを売りにしたクッションフロアを張り替える程度なら問題ありませんが、床の痛みが激しくなってきたフローリングの張り替えを考えている場合、DIYはおすすめできません。

様々なところで「プロにやってもらった方が、仕上がりが格段に良いから」というのを、理由としてよく耳にするかと思います。

確かにそれもありますが、私は「安くなる金額に対して、手間が膨大すぎる」という点も、大きな理由の一つと思っています。

手間やリスクという省略できない費用が、意外と高くつく

DIYでやる場合と、業界に工事依頼をする場合の大まかなフローリング張り替え費用の目安はこのようになっています。

 1畳4.5畳6畳8畳
DIY(材料+工具)(15,000円+2~4万円)(24,250円+2~4万円)(28,000円+2~4万円)(33,000円+2~4万円)
外注費3~6万円7~13万円10~18万円12~20万円
※工具や材料費は、リフォームのリノコ様掲載記事を元に算出しています。

このとき、もし6~8畳分をやるとするなら、10万円前後も差がつくと考える人もいるかと思います。

確かに、金額差だけでいうならその通りです。しかし、DIYでやる場合、圧倒的に時間と手間がかかる上、満足のいく仕上がりになる保証はどこにもありません

工事を依頼すれば1日で済む作業が、DIYだと2~3日かかる上、2~3日かけても想定外のトラブルが発生するかもしれない

こういったリスクを、10万円前後の節約で負うには大抵の素人にとって重すぎますし、もし「結果的にDIYがダメだったから業者に依頼することにした」となれば、それまでの全てが丸損です。

雑誌や動画での仕上がりに憧れてDIYでやっても
経験が伴っていないと、現実は悲惨なもの

そのため、少なくとも日頃から日曜大工が趣味であったり、本業がリフォーム会社や建築会社の現場作業員であるなど、DIYを選べるだけの技術が備わっていない場合、まず業者へ依頼を選んだ方が無難です。

無垢材は日焼けしやすく、メンテナンスが大変

床材の色や質感にこだわりがある人にとって、無垢材フローリングは特に人気の商品です。

生活の中で、自然についてきた傷も”味”があるということで、お手入れが気楽なのもメリットです。

ただ、そんな無垢材の大きな弱点のひとつが日焼け。合板以上に日焼けによる変色が目立ちやすく、「一部だけ変える」「合板より値段が高い」という点で、メンテナンスが大変です。

日焼けが更に進行してくると、ざらざらした触感のケバ立ちになります。そうならないためにも、事前の対策が重要になります。

遮光カーテンや紫外線(UV)カットのガラスフィルムを使ったり、陽が差すところにカーペットやマットを敷くといった方法が、お手軽かつ有効です。

一ヶ所だけへの見積りはなるべく避ける

これは「費用を抑える」というよりは、「払う費用が適切かどうか」を確認して、費用の面でより納得のいく工事にするために重要なポイントです。

たとえば、「ラーメン1杯2,500円」と言われたら、誰でも「それは高すぎる」と即座に判断できます。

しかし一方で、「フローリングの張り替え250,000円」と言われても、それが高すぎるのかどうかはいまいちわかりません。

相場表に照らし合わせて確認することもできますが、調査費や交通費、家具の移動の有無など、金額が変わる要素は数多くあるため、「(本当は適切なのに)相場より高いからダメだ」と判断してしまう可能性もあります。

何より、見積りはどのリフォーム会社であっても無料ですし、契約前の段階なら、自宅に調べに来てもらった場合も費用はかかりません(工事を依頼した後、工事費に現地調査費用が上乗せされることはあります)。

そのため、複数社への見積り依頼はまず出し得と考えて問題ありません。遠慮なく見積りをもらいましょう。

複数社に同じ見積もりを出すことで、はじめて適切な相場が判断できる

見積り金額が適切かどうかを判断する

見積り書を読む際、おすすめなのが複数の見積り書を見比べることです。

1社からの見積り書を見ただけでは、よくわからない用語だらけで解読する気も失せてしまいます。

しかし、たとえその用語の意味がよくわからなくても、複数社の見積り書に同じ内容の記載があれば、「この項目は必要なことなんだな」ということが分かってきます。

たとえば、お店を経営したことのない人が、レストランを開業しようと考えたとき、

他のお店では駐車場をどれくらい広くとっているか、レストランの広さによって従業員が何人いるか、席数はいくつか、メニューの品数は……

というように、「どこもこれぐらいにしている」を実際に確かめると、どういう理屈かはわからなくても「どれくらいが適切か」が判断できるようになります。

見積り書も同じように、「どこもこの内容は同じだな」「この会社だけ、ここが抜けている/足されている」と見比べることで、あなたの工事の場合に適切な金額が見えてきます

もし、そのとき「一式」でまとめられすぎていて、何が含まれているのか不明な場合、「他所ではこれこれこうなんですけど」と確認しやすくなります。「一式」でまとまっている見積りを出している会社が最安値なら、是非確認しましょう。

その会社でやらない場合、必ず一報を

複数の業者へ見積を出しても、依頼するのは1社だけなので、それ以外の業者は必然に頼まないことになります。

このとき大切なのが、「断ることを必ず伝える」ことです。これは依頼しない業者以上に、あなたにとってメリットがあります。それは、「うざったい営業をかけられない」ことです。

どんなに誠実な優良企業であっても、頼まないと決めた業者からの連絡や営業は対応するのが面倒になるものです。

むしろ、業者がちゃんとしていればしているほど、「その後、張り替えのご検討は進んでいますか?」という営業連絡は来てしまうものです。営業連絡で不必要に時間を取られ、気分を害さないためにも、断りの連絡はするべきです。

やらないと決めた後に来る営業連絡ほど、不快なものはありません

また、断りの連絡をするとき、罪悪感を覚える必要は一切ありません。不毛な営業をこれ以上せずに済むありがたい連絡を送るくらいの気持ちで連絡して下さい。

もちろん業者は、見積を仕上げた労力が実らなかったので残念には思うでしょうが、実を結ばないことが判明すればすぐに次のお客さんへ対応します。それでもしつこく食い下がるようなら、顧客第一の目線で考えていない時点で優良企業とはいえません

電話で断るのは気が引けるという場合は、メールやLINEなど、気が重くならない連絡方法を選んでも大丈夫です。当サイトを経由しての見積りでは、断りの連絡も代行しているので、どうしてもという場合はお問い合わせ時にご利用してください。

工事依頼の出し方で、費用だけでなく満足度も大きく変わる

張り替えリフォームをできるだけ安く済ませるには、見積りの段階で判断できることをしっかりと見ておくことが重要です。

このとき、1社だけでなく、複数の業者から見積りを貰うことで、適切な工事内容や金額の目安を把握することができます。

また、安く済ませたいがために、経験もなく趣味でもない人がDIYで張り替え工事をやろうとすると、まず悲惨な結果になります。これは自分でやる場合であっても、パートナーにやってもらう場合でも同様です。

工事依頼は、高品質な仕上がりを得るためだけでなく、時間や手間の支出を目一杯抑えるために出すと考えることで、張り替え後のリフレッシュした住まいをより満喫することができるようになります。

上部へスクロール