足に伝わるフローリングの感触に違和感……よく見ると見た目が変……
フローリングが傷んでくると、張り替えを検討する必要があります。
そのとき、特に大事になるのは費用です。自宅の床の張り替えは人生で何度もやることではないので、どう張り替えるかを誤って余計な費用がかかってしまうのは避けたいところ。
また、フローリングが傷んでくるくらい住み慣れた我が家だと、なんとなく我が家のライフスタイルというものも確立されていることでしょう。
今回は、フローリングを張り替えるときに不必要にお金を使わないようにするためのポイントについて、ライフスタイルごとに向いている床材の種類と共に解説していきます。
費用の3要素
フローリングを張り替える費用は、主に下図の3つ……「面積・素材・工法」の要素から成り立ちます。
面積
1部屋の面積は「1DK(4.5~6畳)」「1LDK(8~10畳)」と広さが定まっていることが多く、張り替え費用についても「この間取りならこの金額」とパッケージ化されていることが多いです。
そのため、工事費を安く抑えるという考え方より、余計な出費を増やしてしまわないように気を付ける考え方がポイントになります。
それが、張り替え工事の際に発生する荷物や家具の移動。これ、意外と頭から抜けがちなんです。
というのも、あまりにもモノが散乱していたり重いモノが多い部屋の場合、作業前後の移動に負荷がかかるため作業費が追加されたり、作業員の体力が削られ張り替えの出来がイマイチになりやすくなってしまう可能性があります。
休日にある程度家具や荷物を隣の部屋に移しておくなどして、現地調査や張り替え工事をスムーズに良いでしょう。
素材
張り替える床の素材はフローリングだけでなく、いくつか種類があります。
今回は、多くの工務店で取り扱われている代表的なものを6種類解説します。
各素材の特徴・どんな家庭に向いているのかといったツボを押さえてください。
フローリング
代表的な床素材であるフローリング素材には、無垢材と合材(複合材とも呼びます)の2種類があります。
無垢のメリット
・質感が圧倒的に良い
・呼吸をする木材で、夏はサラサラ冬は暖かい
合材のメリット
・安い
・反りに強い
・遮音性が高い(マンションでの床の張り替えならまず合材)
・カーペット→フローリングへの張り替え 剝がして張るだけなのであまりかからない。カーペットはダメになったときでも下地がまだ大丈夫というケースは十分ありえるので、チェックしてみるといいかも
クッションフロア
クッションの名の通り、ビニール素材でやわらかく肌触りの良いのがクッションフロア。
素足で触れたときの触り心地はやわらか、でもしっかり弾力を感じます。一瞬、ガラスのコップやお皿くらいは落としても割れずに受け止めてくれるのでは? と思うほど(実際にやってはいけません)。
表面はプリントなので、色々なデザインのものを選べるのも魅力。お気に入りのデザインを見つける楽しみもあります。
その際も、価格の安さが役に立ちます。高価な床材だと万が一部屋のイメージが思っていたような通りにならなかったとしても変更しづらいですが、クッションフロアなら比較的手軽に変更が利くのもメリットといえます。
一方で、傷つきやすさが玉に瑕(きず)。テーブルや椅子などですぐに凹(へこ)みができるだけでなく、家具を引きずったときに破いてしまう可能性もあります。
こんな家庭向き:木くずや繊維がないので、アレルギーを気にする人、できるだけ安さを重視する場合、子供や年配者が家庭にいる人、臨海部住み(表面が木材じゃないから換気したとき潮風が入ってきたときの劣化具合が軽くなるよ)
向かない:木の質感が欲しい、床や壁でツメを研ぎがちな犬猫がいる、室内運動をマットなしにやりがちな人(>柔らかいとはいえ、なんだかんだで足への負担あるよ)(室内用にシューズを使う人もいるかもだけど、今度はフローリングよりやわらかいのがネックになってくるよ)畳とかメリットに書けるな。
カーペット
繊維質で、肌触りの良さや暖かみが特徴のカーペット。
床の固さは家の中では靴下やサンダルなしに、裸足で歩きたい家庭や、床に寝転んで過ごすことがある人にもおすすめできます。
また、保温性も高く、床暖房にもマッチします。カーペット+床暖房のリビングは、寒い冬場を快適に過ごすには嬉しい組み合わせになれます。
デメリットは、毛やホコリなどが絡まりやすく、ゴミ掃除が他の素材に比べると大変なところでしょうか。
拭き掃除もやりづらく、カーペットフロアを綺麗に保つためには強力な掃除機が欲しくなります。
こういう家庭向け:冷え性対策をしたい、裸足で過ごすことが多い、しっかりした掃除機を持っている、ペットを飼っている
向かない:長毛種の犬猫などを飼っている、掃除は掃除機より雑巾がけ派
畳
メリット:床が畳だと和室感が出るので、雰囲気を重視したい人に。
カーペットとはまた違った肌触り、暖かさ。直接寝転びやすい。
やわらかいので、子供部屋とかにするには向いている。椅子やテーブルが座椅子な感じの家庭にもOK
一方:畳→フローリング 畳とフローリングでは厚さが違う=下地の高さも違う=床組、巾木といった下地から変える必要がある→手間と費用がかかる。
こういう家庭向け:椅子は座椅子。床座りで過ごすことが多い家庭、寝室や子供部屋などの部屋。寝具が布団な家とかは、フローリングより良いので断然アリ
逆に、ベッドやテーブル、チェアだと脚による凹みが目立つし、畳の質感が全然活かせないよ。日焼けもしやすいから、窓から陽が差し込む方角の部屋は注意が要るよ(レースのカーテンとかでケア)
コルク
・コルク→耐熱性や防音性、濡れにも強いと、騒いだり飲み物をこぼしがちな子供がいる家庭にはうってつけ。ただ、コルク床への張り替えに対応している業者はフローリングに比べると少ないのと、重い家具でヘコみやすくクッションフロアとかより戻りにくいのがデメリット。子供部屋とかにはアリ
あと、ペットを飼っているとツメ研ぎからカスを喰っちゃうかもだから注意。コルクだけじゃなく、EVAマットとかもアウトなので幼児とペット両方が家族にいる家庭は要注意
こういう家庭向け→おしゃれ重視。小さな子供がいる家庭、家では素足で歩きたい派
タイル
・タイル→汚れにくさと濡れへの強さがピカイチ。フロアタイルは薄いから、重ね貼りするなら費用も抑えやすい。コルクや畳に比べて紫外線にも強い。でも熱を超伝えやすいから、こたつとかホットカーペットを使う人には向かない。暖房はエアコンと 椅子やソファの上で毛布だけ という家庭ならアリ。
こういう家庭向け→リビングがある程度広く、ソファやテーブル付近にはラグを敷くことに抵抗が無い家庭。
向かない→硬いため、足腰に負担がかかるので地べたに座って過ごすには最も不向き。あと冷たいし。滑るし。同様の理由で、ペットとか、ハイハイ時期の小さい子供がいる家庭はもうNG(コーティングするならOKだけど、タイルっぽさは激減だしそもそもコーティングできる会社も限られそう)
床材を選ぶときのポイント↓
↓スペック/ →床材 | フローリング | クッションフロア | カーペット | 畳 | コルク | タイル |
足肌触り | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | △ |
耐熱性 | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | △ |
やわらかさ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ |
滑りにくさ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ |
汚れにくさ | ◎ | ○ | △ | ○ | ○ | ○ |
熱の伝えやすさ | 伝えやすい | 伝えにくい | 伝えやすい | 伝えやすい | 伝えにくい | 非常に伝えやすい |
安くするポイント
・ライフスタイルに合ったものを選ぶ(特に、現在の家族構成や家にいる時間)。(「安価かどうか」を記述に選ぶと、もし合わない→再施工となったらそっちのが費用かかるから非推奨)
・土地柄を考慮する(地方、臨海とか)
・工務店とよく相談する(先に予算を伝える。これ大事!)
工法
3つ目に選ぶのが工法。
張り替えの工法には、重ね張りと張り替えの2種類があり、それぞれメリット・デメリットがくっきり分かれます。
今ある床の上に新しい床材を重ね張りするレイヤー工法が用いられます
↓ボックスの下にあるやつを全部ボックスん中に移転させる感じ
重ね張り
張り替えより工事期間が短く、しかも費用も安く済むのが重ね張り(下地の工事が要らない、廃材が出ない、解体工事の費用が出ない)
上から張るだけなのでDIYしやすい
デメリット
床が高くなってしまう
→5mm以上の段差があると、小さな子供や妊婦、高齢者の転倒リスクが跳ね上がる。最悪の場合、怪我の治療費で張り替えより高くつく
→キッチンが低くなる
靴を新しくすると違和感あるのと同じぐらい、替えたては違和感まみれ。火傷や怪我の原因にも※自炊をあまりしないという家庭でも、食器を運ぶ際に影響するからリスクはあまり変わらないよ
対策→薄い床材を選ぶ。3~6mmフローリング材、フローリング調や石目調の塩ビタイル(5mm弱)あたりがgood
→張るだけのフローリングシートで応急処置(※床暖房やホットカーペットとの併用だと、シートが反ったり変形したりするリスクがある。せいぜい空調くらい)
張り替え
メリット→違和感なく長く使える、安心できる
デメリット→高い。工期が長くなりやすい
・目安:踏んだ時に撓(たわ)み、軋(きし)みを感じる
逆に、見た目が古くさくなってきているだけで踏んでみても沈む感覚がないなら、重ね貼りで安く済ませたいところ
→下地が劣化してゆるんでいる危険性が高い。こうなったら重ね張りしても根本から崩れるリスクがあるので張り替えの方が良いし、誤魔化しでやっていくと万が一根本からベキっといくリスクにもなる
張り替え
下地から丸々張り替える工法です。
他の部屋や廊下の高さを考慮して工事してくれるので、違和感のある段差が発生しづらくなります。
築古の住宅に引っ越したり、長年住んでいるなどで下地の劣化が想定できる住宅の場合は、張り替え
目的別:
子供やご年配がいる→怪我リスクを考慮して張り替え推奨
安くしたい+住んでいる人は大人ばかり→重ね貼りでも良さそう