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フロアコーティングはカビを防ぎ切れるのか

お部屋のデリケートな床を、傷や汚れ、日焼けなどから守ってくれるフロアコーティング。そんな万能なコーティングなら、カビも防いでくれるのでは? と思う人もいるかと思います。

カビが生える主な原因は湿気ですから、湿気どころか水分そのものを扱う水拭きができるようになるフロアコーティングなら、湿気くらい簡単に防げるだろうと思うことはとても自然です。

ただ、残念ながらフロアコーティングでは、カビの発生をある程度軽減してくれるものの、防ぎ切ることはできません。そのため、「コーティングをしてあるから床は大丈夫!」と思い込んで敷布団やカーペットを年中敷きっぱなしにしていると、いざめくってみたときにカビだらけの床に驚かされることになります。

その原因を確認し、湿気管理に対する意識を整えることで、本当の意味でフローリングをずっとキレイに使い続けることができます。

コーティングがけをしても、「目地」は埋まらない

フローリングのみぞ部分のことを目地めじと呼びます。実はフロアコーティングは、目地の部分を埋めません。 つまり、フロアコーティングをしても、目地という隙間はそのまま残ります。

コーティングの仕上がりは、一見目地も全て埋まっているように見えますが

実際は、このように埋まらずに小さな隙間が残ります

湿気や水分は、長時間放置していると目地の部分から床下に進んでいきます。

布団を敷きっぱなしにしていると、やがて寝汗や結露が目地から流れる

これが、フロアコーティングをしていたとしても、フローリングに水分が浸透してしまう仕組みです。

「コーティングがけをしてある床だから、布団を敷いたままでも汚れないしカビないはず」

「コーティングは水をはじいてくれるから、水をこぼしたり結露した容器から水が垂れても放置して平気」

といったような誤解を持つと、カビの原因となります。

目地が埋まるほど厚塗りすると……

ここまで、油性・水性に関わらず、フロアコーティングをしても目地は埋まらないことを解説してきました。

ここで、「それなら、目地も埋まるように厚塗りすれば良いのでは?」と考える人もいるかと思います。確かに、目地が埋まるほど液剤を多く使えば、湿気がフローリングまで進むこともなくなるように思います。

ただ、それほどの厚塗りをしてしまうと、新たに3つのデメリットが発生してしまいます。

  • 塗膜が厚くなりすぎるため、塗りムラや液だまりになる
  • 気温による、フローリングそのものの伸び縮みに対応できず軋む
  • 頻繫に歩いている箇所のコーティングが割れる

このように、液剤の多用はコストが余計にかかるだけでなく、多くのデメリットがあるため、目地を埋めるほどの厚塗りは良い施工とはいえません。

湿気対策はサボれない

フロアコーティングをしたからといって、布団やカーペットを一年中敷きっぱなしにしていたり、こぼした水を放置していると、カビの発生を防ぎ切ることはできません。

ただ、目地は埋まらないような厚さで塗るのが正しい施工なので、カビ対策が面倒なあまりにこれが埋まるほどの厚塗りをすると、施工不良と言えるほどの、より多くの問題が発生してしまいます。

フロアコーティングをした家での生活であっても、敷物を一年中敷きっぱなしにはせず、定期的に外したり畳むようにしましょう。

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