暮らしの中で、畳が恋しくなるきっかけは様々です。
- 新居が全面フローリングで、畳床の和室がない
- リフォームしたときにフローリングに替えたが、なんだかんだで畳の空間も欲しくなった
- 和室もあることにはあるが家の端っこなので、そうではなくリビングで寝転がりたい
とはいえ、そのためにフローリング床を畳に張り替えるのは、手間もお金もかかります。そこで、敷くだけで使える置き畳が便利です。
ここでは、数ある置き畳の中から、こういうご家庭にはこういった置き畳がおすすめという目的別に紹介していきます。

イチオシ置き畳
琉球畳 82×82cm×厚み15mm フチなし

高反発な国産い草のみを使用しつつコストを抑えた琉球畳です。
1枚あたり2.5kg程度と軽く、敷いたり片付けたりするのも手軽にできるため、子育て世代の強い味方です。
滑り止め効果がしっかりしていて畳の上で動いてもズレにくく、子供の遊び場や寝床としても使いやすいです。
また、畳を部屋全体に敷き詰めたい家庭には特におすすめで、オーダーメイドでミリ単位でのサイズの成形はもちろん、どこにどの畳を敷けば良いかのガイドも用意してくれる親切設計と対応の丁寧さがポイントです。
畳を選ぶときの素材選び
畳といえば、い草の香りと鮮やかな緑の色合いを想像する人が多いと思います。実は置き畳には、和紙製や化学樹脂製など、い草以外にも様々な素材のものがあります。
い草
い草の代表的な特徴は、空気中の湿気が強いときに水分を吸収し、乾燥しているときに水分を放出する調湿機能です。6畳あたり、500ml以上もの水分を溜め込めるほどの能力を誇ります。
また、汗やタバコ、ペットの臭いも軽減してくれる消臭効果もあるため、家族に喫煙者やペットがいる家庭には特に向いているといえます。
デメリットとしては、直接こぼしてしまうと乾きにくくカビやすい水分への弱さです。
ただの水ならまだ後処理しやすいですが、食事や間食における汁やスープ、飲み物をこぼしてしまうと、乾いた雑巾で拭いた後に更に中性洗剤を使ってもう一度拭き取ってと、後始末が大変です。
また、最も寿命が短い素材で、5年程度で取り替える必要があります。ただ、耐久性や寿命が短い分値段も最も安いので、あえて手入れのことは考えずに消耗品感覚で使うという選択肢もあります。
和紙
水を弾きやすく丈夫な和紙製の置き畳は、お菓子やジュースをこぼしても拭き取りやすく、水分が染み込みづらくダニが発生しづらいなどの点で、小さな子供がいる家庭向けの素材です。
また、カビや紫外線に強いので、湿度が高くなりやすく日焼けもしやすい窓際に置こうと考えているなら、い草よりも和紙製の方が良いでしょう。
更に、和紙製の置き畳は床暖房の上でも問題なく使えるものもあります。冬場に暖かい床に寝そべりたい人には、床暖房対応の和紙製置き畳はうってつけです。
デメリットとしては、まず、い草ではないため香りがしません。「い草のあの香りが好きで畳を敷きたい」という人だと、まず選択肢から外れることになります。
また、い草製より値段が高いものが多く、強度が高い分硬めです。硬めなので、重いものを置くなどしてヘコみができてしまった場合、元に戻りづらいです。
化学樹脂
ポリプロピレンに代表される化学樹脂製の置き畳もあります。
破れたり放置したりしない限り水分が染み込むことがなく、水拭きで手入れができるので長持ちします。
色合いもバリエーションに富んでいて、「敢えて緑でない色を選ぶ」ことによるオリジナリティの演出もできます。
ただ、人工物なので自然な感じはほとんどなく、畳というよりはマットを敷く感覚で使うことになるでしょう。
デメリットは和紙製と同じく、い草の香りがしないこと、和紙製ほどではないものの、値段が高いことが挙げられます。
また、通気性も他の材質に比べると劣るので、気になる場合はフローリングと畳の間に押入れシートを敷くことで、通気性を改善することができます。
部屋中に敷き詰めるなら、オーダーメイド
一部屋まるごと置き畳を敷き詰めたい場合、手間賃がかかりますがオーダーメイドで寸法ピッタリの置き畳を用意してもらうことをおすすめします。
なぜなら、部屋の間取り通りの置き畳を敷くことで、段差や隙間が発生しなくなるからです。段差や隙間があると、つまづきや転倒のリスクが増えたり、ゴミや埃が隙間に挟まって掃除しづらくなり不衛生になりやすくなるなどデメリットが多いです。
また、発注前に相談できるので、開き戸の下や箪笥の前など、家具と置き畳が干渉するかどうかを確かめることができます。
ホームセンターの置き畳とは品質が大きく違う
ここで紹介する置き畳は、いずれも専門店から売られている置き畳で、ホームセンターに陳列されているものより値段が高いです。
その分、以下の点で、ホームセンターに出ているものより良質な仕上がりになっています。
- ほつれや痛みの起点となる、角や隅の部分の作りがしっかりしている
- 厚さがより厚め
- 使われている、い草の質(草が長く中身が充実したものほど高品質)が良いものが使われている
ただ、これらの違いはいずれも「このような理由で長く使える」ことがメリットになっています。
そのため、「小さな子供が育つまでの間だけ」「年配者が一時的に家にいる間だけ」というように、元々短期間しか使用しない想定の場合、出費を抑える意味でも近くのホームセンターで購入した方が良い場合もあります。
おすすめ4選
・夢見台(フローリング部屋で布団の下に敷いて使う)
折り畳めるので収納しやすく、それでいて作りも安っぽくなくしっかりしています。
防滑性も優れているので、寝相やズレを気にせず使うことができます。
耐久性に関しては、敷きっぱなしにしない等の適切な使い方をしていれば、2年以上使い続けても体重による凹み程度で、い草が痛んだりカビたりすることがないくらいに丈夫です。普段使いに特に向いているといえるでしょう。
・ポリプロピレン製(雑巾水拭きができ、小さな子供がいる家庭向け)

水をこぼしても拭き取れる耐水性や、ペットの爪とぎでもあまり痛まない耐久性が魅力のポリプロピレン製置き畳です。
高い耐水性・撥水(はっすい)性が魅力で、小さな子供が汚してもウェットティッシュでサッと掃除できるのは大きなポイント。
変わったところだと、汗の始末がしやすく体重があれば上で動いてもほとんど滑らない点を活かし、室内運動時の運動マット代わりに使っている家庭もあります。
・4畳半ユニットい草製置き畳「あぐら」(設置予定のお部屋が玄関から遠い家庭向け)

ほとんど隙間なくピッチリ設置ができるので、ゴミや埃が隙間に挟まる心配が不要になりストレスフリーな置き畳です。
1枚1枚は厚みがある割にとても軽く、2階で使いたい場合でも容易に運べます。
気になる点としては、国産い草で品質は良いのですが、廊下でもはっきりわかるくらい匂いが強いため「実は、い草の匂いはそこまで好きじゃない」という人には向かないかなと思います。
ただ、これは「い草の匂いが好きで、い草畳の座り心地や寝心地をまた味わいたい」という人なら断然おすすめできるということでもあります。
・和紙製置き畳 82×82×2.5(い草の匂いがあまり好きではない家庭向け)

カビや害虫に強い和紙製畳の中でも、特に扱いやすいスタンダードな置き畳です。
25mmと厚みがしっかりしているので、「せっかく買うのだし、1度買ったらあまり頻繫に買い替えはせず、長く使いたい」という人にうってつけです。
色のバリエーションも、馴染みのある若草色はもちろん、灰桜色や白茶色など7種類のものから選べます。
落ち着きのある色合いを選んでもお部屋全体の明るさを演出してくれますが、事前に気になった色をカラーコピーで印刷して置いてみたり、他の家具や小物、壁の色を確認しながら選ぶと、実際に置いた際のミスマッチをより防ぎやすくなります。
デメリットとしては、縁や四隅の、いわゆる「端っこ」部分の作りがほんの少し甘いところでしょうか。直接寝転がって畳を眺めるときに、気になる人は気になるかもしれません。