フロアコーティングの中でも、UVコーティングは
- コーティングのことを、新生活スタート後に知った
- 住み始めてからいきなりフローリングに傷がついた
- 料理や足の油で床が汚れていくのがムリ
という家庭にピッタリなコーティング。
最近はフロアコーティングを扱う業者も増え、1回かけておけば毎年ワックスがけをするよりラクということもあってコーティングをする一軒家やマンションが増えてきました。
ただ、コーティングはまだまだ認知度は低く、知らない人はまず存在からしてわからないですし、「コーティング? 床はワックス処理してあるのがほとんどだしそれで充分でしょ」という不動産会社が多いのが現実。
特に、せっかくコーティングのことを知って「おっ、良さそう」と思っても、既に引っ越して家具や電化製品を買った後だと、施工と養生(=乾かす期間)で数日間家を開ける必要があってそれはそれでちょっと……。というケースも多いです。
明るく、洗剤に強く、即固まるUVコーティングは、新生活スタート後でも間に合う唯一のフロアコーティングです。

UVコーティングは暮らしに嬉しい機能が盛りだくさん
乾かす時間が要らない
UVコーティングは、その名前からよく「UVカットつまり陽射し(=紫外線)に強いの?」と思う人が多いです。
ただ、本当はUVでコーティング材を固める工法という意味です。なので、他のコーティングとは違って乾かすために1日養生する時間が要りません。
しかも、即座に固めるので空気中に浮いている埃や塵が乾かしている間に床に落ちるといったこともありません。
そのため、「コーティングのことを引っ越した後から知った。良さそうだけれど工事のために工事+養生で丸2日も家を空けなきゃいけなくなるのは難しい」というご家庭でも問題なく施工できます。
キズに強い
UVコーティングは、従来のコーティングにアクリルを混ぜ込んでいます。そのため、普通のコーティング以上にキズに強くなっています。
アクリルは、普段の生活でも見ることがある
- TVやPCモニターの保護パネル
- キャンピングカーの窓
- フォトフレームやコレクションケース
- 道路の透光パネル
などに使われています。これらの共通点として、耐久性が高くて割れにくいことを求められるようなものばかりなのがわかると思います。
そんなアクリルを混ぜ込むことで、外車の塗装以上といえるレベルでキズに強くなります。
滑りにくい
UVコーティングは、色々あるコーティングの種類の中でもトップクラスに滑りにくいです。
家族に転倒がこわい小さな子供や高齢者、ペットがいる場合、安全性を考慮してUVコーティングを選ぶのも○です。
UVコーティングはこんな家庭におすすめ
UVコーティングは、 家の床がピカピカ光沢をもって高級感を出したい家庭や、足腰が不安な家族がいる家庭におすすめです。
また、既に新生活がスタートしていてワックスがけフローリングからコーティングに変えたいという場合でも、UVコーティングならも問題なくコーティングがけができます。
一方、
- 新居に引っ越す前で、色々考える時間がある
- 自炊をあまりやらないので、油汚れは大して困っていない
- 独身、または小さな子供や高齢者、ペットがいない
- 長期間同じ家に住むつもりがない
という状況や生活スタイルなら、他のコーティングやワックスのみというやり方でも良いのかな、という印象です。
自宅の床にUVコーティングが本当に必要か
UVコーティングは品質も良く、暮らしを快適にしてくれる工事ではありますが、他のコーティングやワックスがけと比べれば割高です。
また、剝離剤で剝がしての再施工というのもできないので、仕上がりや性質が自宅の床に合っていなかったというケースはできるだけ避けたいところ。
申し込む前に、
- 耐用年数 – 20年以上長く住むか?
- 費用 – 少し値が張っても高品質の方が良いか?
- 光沢 – 床は光沢があった方が良いか?
- 耐薬品 – キッチンハイターやブリーチは使うか?
- 汚れ – 幼児やペットの粗相などで床が汚れ得る家族構成か?
- 床暖房 – 床暖房を導入する予定があるか?
- 養生期間 – 引っ越しまでに日がないか?
といった視点から考えて、本当に必要かどうかを事前に考えておく必要があります。
UVコーティングのスペック
それでは、UVコーティングの詳細を見ていきましょう。
明るくキレイに見える
UVコーティングは、厚い塗膜でツヤがあり床が明るくキレイに見え、お部屋の高級感を演出してくれます。
特に、友達や親戚が自宅に来る機会があるご家庭なら、見映えの面では圧倒的に良いです。
ただ、本当にピカピカ具合がスゴいので、それがそのままフローリングそのものが持つ木材の質感を損なってしまいます。


これはあくまで一例ですが、床材や家具がホワイト基調なものの場合はUVコーティング向き。濃い色やダーク基調なものなら光沢のない別なコーティングの方が、インテリアという観点のみでの話ですがお部屋全体の調和が取れやすくなります。
掃除しやすい
- 夏場などに裸足で歩き回ることでの皮脂汚れは中性洗剤やアルカリ性洗剤
- タバコや水垢、魚の生臭さやペットの粗相等でのアンモニア臭はクエン酸
- 黒ずみベタつきは重曹
など、フローリングのお掃除には色々と効果的な方法がありますが、ワックスだと化学反応で溶けてしまったり変色・脱色してしまうため「よく絞った雑巾で拭いてから掃除機掛け」ぐらいしか床やワックスを傷めない方法はないんですよね。
ただでさえ掃除そのものが面倒くさいのに、「どの掃除法が自宅の床でできるのか」を考えたり調べたりするのは更に面倒。最悪掃除そのものをする気が失せます。
ただ、UVコーティングをしておけば掃除の手法は格段に広がります。
- 水拭きでの基礎掃除
- アルコール拭きで除菌掃除
- 除光液で油汚れ落とし
- 台所用の中性・アルカリ性洗剤
全てがOK。「耐薬品性に優れている」という一見よくわからない特徴の本当の意味は、あらゆる方法でお掃除がしやすいということです。
即固まる
UVコーティングは唯一、塗ったあとすぐに固める工法をとっています。
そのため、引っ越しまでに余裕がない場合や、引っ越し後での施工はもちろん、暮らし初めて数ヶ月~数年間経ってから「やっぱりコーティングしようかな」と思ったときでもやりやすいです。
特に、引っ越した後だと問題になるのは家具の移動。他のコーティングだと、コーティングがけの時間や施工が終わってから乾かす期間(夏場で1日弱、冬場で2日弱)、家具を他の部屋に置いておかなければいけません。
そうなると、家具の移動のせいで床や壁を傷めてしまうリスクが。フローリング保護のためにするコーティングの準備がキズの原因になるなんて、まさに本末転倒です。
UVコーティングは、荷物を部屋の外まで動かすことなく、部屋の隅に動かして半分ずつ固めることができます。隣りの部屋や廊下に出す必要がなくなるので、扉の枠や床をキズつけるリスクをかなり抑えることができます。
長所と短所
長所
- 光沢が強くキレイに見える
- 耐久年数が長い – 20~30年
- 薬品に強く色んな手段で掃除ができる
- 滑りにくく足腰への負担が軽い
- 引っ越しまでに日があまりなくてもコーティングがけできる
- 引っ越した後でもコーティングがけしやすい
- 扱っている業者の施工部の腕が良い
- ワックスがけが不要になるので、掃除用具入れのモノが減る
短所
- 他のコーティングに比べて値段が高くなりやすい
- 光沢が強く、木の質感を損なう
- 1度コーティングがけをすると張り替えが効かない(すり減りの復元は可能)
- コーティングがけ後の臭いが気になる可能性がある
UVコーティングのトラブルと対処法
UVコーティングの施工時にトラブルになるケースがあります。
ただ、事前に内容を把握しておけば、それらトラブルはほとんどの場合防ぐことができます。お問い合わせの前に、覚えておくまではいかなくともこの部分を印刷や撮影などしてパッと確認できるようにしておくと安心です。
ニセUVコーティング
この世には、UVコーティングとうたっておきながら、ただのシリコンコーティング(性能も値段もUVコーティングより下)を施工する悪徳業者が存在してしまいます。
というのも、UVコーティングとシリコンコーティングでは
- 光沢が強い
- 塗膜が厚い
- 滑りにくい
という特徴が一致しているため、悪徳業者にとって偽装先としてはうってつけです。
「UVコーティングにしては安すぎる」(例.戸建を全室コーティングがけで10万ほど)というケースならわかりやすくて見破るのは容易ですが、値段での確認は「キッチリそれっぽい金額を取っておきながらシリコンコーティング」というケースを防げません。
なので、もし本当に慎重になる場合や、営業マンの言うことが怪しいと感じた場合は、コーティングがけ後に養生期間を作れないようにスケジュールを組むことで防げます。
シリコンコーティングは半日前後の乾かす時間が必要なため、業者が「乾かすための養生期間が必要」と言いだす場合は100%ニセモノといえます。(換気のために時間を置いた方が良いと言うのは特に問題ありません)
UVに限らず、フロアコーティングは一度コーティングがけをしたらやり直しがききません。
光沢がやっぱり自分に合わない
「UVコーティングをしてもらったが、住み始めてからやっぱり光沢が気になる」という声を時折いただきます。他にも
- 木の質感を大事にしたかった(色合いが気に入っている、無垢材など)
- フローリングが濃い色または黒めの色で、思っていた以上に光の反射がスゴい
- フローリングがキレイに見える分、汚れが目立つ
という意見も。汚れに関しては「汚れが見やすく、掃除しやすい」というメリットともいえるので一概にデメリットともいえないのですが、光沢や反射に関しては事前にチェックすることが大切です。

そのため、休日に近場のコーティング業者のショールームに行ってみる、施工サンプルを複数枚取り寄せ、床に並べてみてシミュレートしてみるといった確認をしておくと万全です。
このとき、必ずコーティングがけをしたいフローリングと同じ色のサンプル板を取り寄せましょう。最低限、白いか濃い色かだけでも揃えておかないと、眺めてみたときに参考になりません。
ライフラインを通していない
どういうことかというと、UVコーティング時は電気で施工道具を動かすので、電気を通していないとコーティングがけができない場合があります。
コーティング業者には、発電機を持参してくる業者としてこない業者とがいます。見積もりの段階で電気をどうするか(持参か、家のコンセントか)は見積書に記載されているので、確認しておくと良いでしょう。
まとめ
フロアコーティングにはいくつか種類がありますが、キズや汚れがつきにくく、年1回のワックスの塗り直しや数年に1度のワックス剝離が要らなくなるのはとてもラク。
UVコーティングはキズや汚れ、熱への強さ、掃除のしやすさ、滑りにくさといった生活する上で大切な要素をバッチリ満たしています。
すぐに固まって塗膜を作るので、日程調整が大変という場合や、新生活はとっくに始まっていて床のキズや汚れが気になったり、ワックスが面倒になったという家庭にもおすすめできます。
ただ、光沢の強さは人によっては気になるポイント。フローリングの色や家族の好みなど、事前に確認しておくと良いでしょう。