フローリング床をスッキリキレイにお掃除できる水拭きですが、こんなところが気になったことはないでしょうか。
- 雑巾を濡らして絞って拭くやり方しか知らないけれど、合ってる?
- 水拭きで床が傷んだり、悪くなったりしない?
これらはいずれも、誤った方法が身についてしまう前に確認しておく必要があるポイントです。せっかくフローリングをキレイにするための水拭きなのに、それが原因で悪くなってしまうことほど気分が落ちることはありません。
そこで、「正しいやり方を知る」「キレイに掃除するためのコツ」などをチェックする以上に、実際に自分が水拭きをするときに「ここを気を付ければOK」という内容を確認した方が覚えやすいと考え、床の水拭きにおけるここに注意! というポイントをまとめました。
ポイントを一行でまとめると、「水拭きの前に乾拭き&水分はなるべく残さない」です。

手順は乾拭き→水拭き
汚れを取るための水拭きと、ゴミや埃を取るための乾拭き。これらを使いこなすことでより効果的な床掃除になります。
このとき、手順は必ず乾拭き(または掃除機がけ)が先で、その後に水拭きで行うようにしましょう。この順番で、最も効率的に汚れや埃を取ることができます。
では、他のやり方がどうして最適ではないのか、それぞれ確認していきましょう。
乾拭きだけ
こぼした食事や飲み物、裸足で歩いたときの皮脂汚れは、乾拭きで掃除し切れないので水拭きで取り除く必要があります。
たとえば、こぼしたジュースを拭き取るとき、水拭きならキレイに取れますが、乾拭きだと水分はともかくジュースのベタつきは残ってしまいます。
もし、そういった汚れが特になく、「埃を掃除したい」「目立つ髪の毛やゴミを取りたい」という場合は、むしろ乾拭きだけの掃除でOKです。「ついでにサッパリさせたいから」と汚れてもいないのに水拭きをすると、床の傷みを早めてしまいます。
水拭きの前にゴミや埃を取った方が良いのですが、それは乾拭きで良いのか、それとも掃除機でも良いのでしょうか。
結論としては、乾拭きです。「最初に掃除機がけをすると、掃除機本体の排気で埃が空中に舞い上がってしまう」という心配があります。
理想的な手順としては、乾拭き→掃除機→水拭きとなります。
いきなり水拭きはダメ?
ゴミや埃がついた床を濡れた雑巾やワイパーなどで掃除したとき、糸のように細く固まった埃がついているのを1度は見たことがあると思います。
水分を含んだ埃のかたまりが、全て雑巾やワイパーに付いて取れていれば良いのですが、実際は多少は目地(フローリングの溝の部分のことです)に入り込んでしまっています。
更に、埃を押し込む形になるので、溝から固まったゴミや埃を取り除くのも一苦労になります。
また、砂など細かく固いものを掃除機で吸い取らずに直接水拭きで拭き取ると、床に押し付けることになります。すると、拭き掃除がそのまま砂やゴミを引き摺るので、床が傷つきやすくなってしまいます。
毎日はやらない(週1回程度)
フローリングは水分と相性が悪く、毎日水拭きをすると床が悪化する原因になります。
たとえば、美容パックや筋トレ、観葉植物への水やりなど、「それそのものは良い行動であっても、毎日やるのはやりすぎ」というものは日常生活の中で数多くあります。
水拭きも同じく、毎日はやりすぎになります。1週間に1回くらいが丁度良い頻度になります。「普段は掃除機だけ。週末に掃除するときは水拭きも」といった具合に、定期的に行うと良いでしょう。
無垢材の水拭きは? 無垢材専門メーカーに問い合わせてみた
無垢材に、水拭きで掃除をしたい汚れがついた場合はどうすれば良いのでしょうか。
サイトやブログによって、「オイル塗装の場合は水拭きOK」「いやいや、無塗装のものこそOK」というように、言っていることが違うことがあります。
そこで、水拭きの是非について、直接無垢材メーカーに問い合わせてみました。要点に絞って掲載します。
関東の無垢材メーカー
「水拭きは基本的にNGです。もし、水拭きをしたい汚れがついた、或いは見つけた場合、その部分を中性洗剤を希釈したお湯で拭いてください
「毛羽立ちしやすいので、日常的な水拭きは控えてください。踏み心地の変化が起きやすいです」
「昭和以前の無垢材は、板の目がしっかりしていて水をはじきやすいものが多く採れていましたので、多少の水分は問題ありませんでした。採れ尽くされた現代の無垢材で水拭きをしたいなら、きつく絞ったタオルや雑巾を使う、水拭きの後に乾拭きや、窓を開けての換気をするなどの水分ケアが必要です」
関西の無垢材メーカー
「水拭きはやらず、オスモカラー等のコーティング塗料で磨いてください。食べ物や飲み物をこぼしたときに、ベタつきが残らないように水に濡らした雑巾やタオルで拭くのは仕方がありませんが、その後に乾拭きは必ず行ってください」

「基本的な無垢材の製法として、元々水分が含まれている自然の樹を切ってから、乾燥させて水分を抜くという手順になっています。そのため、水分が染み込みやすくなっています」
「確かに、水分の後始末ができるなら、水拭きをしても問題にはなりにくいです。ですが、「水分の後始末をする」の部分を聞いておらず、問い合わせられた後に「水拭きしても良いと言ったのに!」とクレームをいただくことが何件もありました。「水拭きはNG」と答えざるを得ないのは、こういった背景があります」
無垢材への水拭きは、汚れている箇所を小さく集中的に
関東・関西3社ずつ質問してみた結果をまとめると、「塗装の有無にかかわらず、水拭き厳禁というわけではないが、水分の後始末には特に注意する必要がある」という回答でした。
無垢材への水拭きは、合板以上に水分残りに気を付ける必要があります。乾拭きで拭き取れる埃やゴミといった汚れはなるべく乾拭きで掃除し、食べこぼしなどの水拭きしたい汚れのときにしっかり絞ったタオルや雑巾で水拭きすれば、無垢材床の劣化は最小限に抑えられます。